TECHNOLOGY

AHEAD-RCS:新井組混合構造

柱梁接合部をふさぎ板で覆った梁貫通型RC柱S梁接合部構法
-建築技術性能証明取得-

RCS接合構法は、鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨梁で構成した混合構造の構造体です。圧縮に強い鉄筋コンクリート造を柱に、曲げ・せん断に優れた鉄骨造を梁に適用して施工性を改善。商業施設や配送センターの建設で、耐久性向上と工期短縮を図ります。
柱梁接合部は、梁貫通ふさぎ板形式を採用し、梁の鉄骨が柱梁接合部内を貫通し、ふさぎ板がその周囲を囲んで接合部コンクリートを拘束しているのが特徴です。

RCS接合構法の概要

RCS接合構法は、柱には圧縮に強い鉄筋コンクリート、梁には曲げに強い鉄骨を用いています。異種の構造部材を、その構造特性を発揮できるように配置することによって、在来工法では得られない優れた耐震性能と高い生産性を実現し、柱梁接合部の設計・施工方法の合理化を図っています。
柱間隔や階高が大きく、安定した構造性能が求められるショッピングセンター、配送センターや工場などに適した構工法です。

梁鉄骨が柱梁接合部を貫通し、
外周部をふさぎ板が拘束。
柱はRC造で、柱梁接合部の帯筋は不要。

〈柱梁接合部の構成〉

RCS接合構法では、独自の設計施工指針を整備しています。長期荷重時、短期荷重時、保有水平耐力時あるいは、入力が最大となる時に加わる力に対して、強度と変形性能を満足していることが証明されています。神戸リサーチパークに建設した技術研究所の研究棟にRCS接合構法を適用し、設計施工指針の有用性を確認しています。RCS接合構法は、(財)日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得した技術です。

〈架構の概念〉

RCS接合構法の特徴

RCS接合構法の開発目標は、「高性能」、「低価格」、「工期短縮」で、特徴は次のとおりです。
①鉄筋コンクリート部材と鉄骨部材の特性を引き出し、耐震性と耐久性を向上させています。
②ふさぎ板は、

  • 柱梁接合部の外周を囲み、コンクリートを拘束します。
  • せん断抵抗要素となってせん断力を負担しますので、柱梁接合部に帯筋を配筋する必要がありません。
  • 柱梁接合部の剛性、耐力を向上させます。
  • コンクリートのひび割れの伸長を抑えます。
  • コンクリートのせん断劣化後の耐力低下を抑えます。
  • 施工時には型枠となります。

③施工改善によって労務を平準化し、施工工程のサイクル化を容易にしています。

  • 柱梁接合部の貫通梁とふさぎ板とは、一体にして工場で加工・製作します。
  • 鉄筋の先組み工法を採用します。

柱梁接合部試験体による構造実験

RCS接合構法の構造性能は、柱梁接合部を取り出した試験体を用いた加力試験により、確認されています。
実証された主な事柄は、

  • 柱梁接合部のせん断耐力式が妥当であること
  • 安定した荷重-変形関係を保ち、大変形に達した後も耐力の低下が小さいこと
  • 兵庫県南部地震級の地震にも耐え得ること

などです。

荷重ー変形関係
加力試験状況
加力試験終了後