• before
    after
  • 神戸市灘区 平成5年改修
    施主/神戸市
    設計/(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所
    着工前は図書館
    1904年(明37)
    あたり一帯が「原田の森」と呼ばれていたこの地はもともと関西学院のキャンパス。
    アメリカの銀行家、ブランチさんの寄付を受けてこの年チャペルが建てられ、ブランチ・メモリアル・チャペルと名付けられる。
    1929年(昭4)
    関西学院が西宮へ引っ越し、チャペルは阪急電鉄に売却される。
    1940年(昭15)
    神戸市が建物を買い取る。
    1945年(昭20)
    神戸大空襲により、屋根や塔などが破壊。
    1949年(昭24)
    屋根をつけて建物が修理される。
    1950年(昭25)
    神戸博で瀬戸内海観光館として使われる。
    1962年(昭37)
    アメリカ文化センターとして変身。
    1967年(昭42)
    王子図書館として変身。
    25年近く図書館として市民に親しまれる。
    1991年(平3)
    傷みが目立った建物をもとの姿に復現する工事が始まる。
    1993年(平5)
    建てられた当時のままに美しくよみがえり、王子市民ギャラリーとして再生。
    2006年(平18)
    「神戸文学館」として、リニューアルオープン。
  • 技術と工夫

    昔のレンガ積み基礎の一部を削り、新しく鉄筋コンクリートのL型基礎をプラスして頑丈な土台を築造。新しく厚さ15センチの鉄筋コンクリートの壁にドッキングして強度をつけました。

    ハンマー・ビーム・トラスと呼ばれる大きなアーチ型の梁を組んで、屋根を支えています。
    瓦は昔のレンガの色に合わせて何回も試験焼きを繰り返しました。

    屋根の骨組みを新たに築き、昔と同じような日本瓦を葺いていきました。
    数種類の瓦をまぜて、古い感じを出しました。

王子市民ギャラリー(現:神戸文学館)第5回(平成7年度)BELCA賞ベストリフォーム部門受賞作品

明治37年、関西学院のチャペルとして建てられた由緒ある建築。歴史を感じるレンガ造りの外観をそのまま残してギャラリーに変貌させ、市民に開放するリニューアルに取り組みました。改修工事にあたっては、旧チャペルの復元と市民ギャラリーとしての機能整備の両立調和を狙いました。 外壁は既存のレンガに新しく鉄筋コンクリートでL型基礎をプラスして丈夫な土台を築造。 屋根の骨組みや窓枠、ぶどう模様の窓ガラス、塔上の飾りなどは、昔の写真をたよりに細部まで細かい工夫を施しました。