関東の足元を支える、新井組の「高品質」。

関東の足元を支える、新井組の「高品質」。

■事業主:国土交通省関東地方整備局
■路線名:首都圏中央連絡自動車道(圏央道)

国家的プロジェクトにおいて、One Teamの精神で得た高評価。

関東圏の重要な交通網である
「首都圏中央連絡自動車道」。
新井組は2005年から参入、
2020年4月までに21箇所の現場を手がけ、
高い技術力と品質の高さで、
数々の高評価を獲得してきた。
関東での飛躍的発展の足がかりとなった
プロジェクトを振り返る。

Project Memberプロジェクトメンバー東京支店/土木本部※記載の役職名/担当はインタビュー当時のものです。

金谷 頼房[Yorifusa Kanatani]作業所長/森谷 敏朗[Toshio Moritani]執行役員(営業本部 副本部長兼 東京支店 支店長)/馬場 公勝[Hirokatsu Baba]代表取締役/山下 勝久[Katsuhisa Yamashita]工事課長/西村 和史[Kazuhito Nishimura]技術グループ長/山垣 巧[Takumi Yamagaki]工事担当
Project Story01
Project Story01
営業部と工事部が一丸となって、信頼と実績を獲得。

出展 国土交通省関東地区整備局

まず、プロジェクトの概要を教えてください。

馬場首都圏中央連絡自動車道(以下、圏央道)は首都圏の環境改善や道路交通の円滑化を目的に、神奈川県横浜市から東京都、埼玉県、茨城県を経由して千葉県木更津市まで環状に結ぶ全長約300kmの高規格幹線道路です。新井組は、2005 年から参入し、現在建設中の現場と併せて計 21 現場の施工に携わっています。

森谷圏央道の入札に参加するために、まず埼玉営業所を開設しました。それを足がかりに、埼玉県の圏央道工事を受注。その後、茨城営業所を開設する頃には、それまでの工事経験が実を結び、数多くの圏央道工事の受注につながりました。兵庫県本社のゼネコンが地元の有力企業と競合するには、相手の実力を把握することが重要です。私は営業として、これまでの入札経過や施工中の現場など細かく調査し、できるだけ他社より有利な条件で入札できるよう情報収集に努めました。

馬場時代と共に入札方式が変化する中で、当社は技術力を高めることに注力してきました。その結果、受注工事の工事成績で高得点を獲得し、2017年から3年連続でゴールドカード(工事成績優秀企業)を取得。3年連続というのは関東地方整備局では初めての快挙です。圏央道は、新井組東京支店が飛躍的に発展する原動力となった象徴的なプロジェクトと言えます。

Project Story01
Project Story01
それぞれの現場で、何を最優先にすべきか。

印象に残っている現場について教えてください。

山下2011年の神奈川県湘南地区での現場です。当時、約600㎥のコンクリート打設中、約2/3の打設が終わり終盤に入ろうとしていた時、東日本大震災が発生しました。足場の鉄筋が左右に大きく揺れ、立っているのがやっとでした。またこの直後、神奈川県全域で大型停電がありコンクリートの供給がストップ。幸い2時間後には大型停電が一部解消され作業を継続することができましたが、その後も計画停電があり、資材・人員・機械が不足するなど、激動の現場となりました。圏央道は7現場を担当しましたが、それぞれ特性があり、同じ現場は一つもありません。また、人材、機械、資材など一つでも欠けてしまうと成り立たない。何を最優先にすべきか優先順位をつけて、確実に対応していくことが現場運営の成功のカギとなります。

山垣私が印象に残っているのは、圏央道菅谷地区の改良工事です。住宅地が近く、「いつ開通するの?」「開通したら街が賑やかになるね」という声が聞かれるなど、周辺地域の方々の期待や早期開通の要望が特に大きい現場でした。工事では騒音や振動も発生するので、ご高齢の方にはその旨をお声がけしたり、地域のお祭りに参加して子どもたちと交流するなど、コミュニケーションを密に取るように心がけました。工期が短く延長が見込めない厳しい状況でしたが、近隣住民の方々の期待や早期開通の要望を力に変え、会社の仲間や同期達と切磋琢磨しながら竣工まで乗り切ることができました。評価の高い工事実績で発注者の信頼を得られたことに加え、地域の方々からも信頼いただけた現場だったなと感じています。

Project Story03
Project Story03
同じ現場は一つとない。チームの力で難局を突破。

中には厳しい現場もあったのではないでしょうか。

金谷私が担当した高須賀地区の改良工事では、常総―つくば間の開通直前で、舗装工事への引き渡しに時間的な猶予が無い中でさまざまな事象が生じました。地盤が軟弱だったため対策が必要で、発注者の要求と現地条件を精査し、工法の提案を行いながら進めました。加えて、その年は長梅雨で台風も発生するなどなかなか着手できなかったのですが、様々な工事を経験した人が応援に入り、無事に期限を守ることができました。多くの経験を有する技術者のチームだったからこそ、短時間での判断、計画、実行が可能になったのだと思います。また、20代前半から40代後半と比較的年齢の若いチームで意思の疎通もしやすく、厳しい工期をチーム一丸となって乗り越えられました。年代の垣根を超えて、技術や新井組スピリットの伝承ができたのではないかと思います。

西村私は技術部として主に受注業務を、受注後は現場の後方支援を行っています。圏央道は、初めは技術提案の高得点が取れずなかなか受注に結びつきませんでしたが、作成方針を変更し、さがみ縦貫寒川北ICランプ橋下部工事の技術提案で高得点を獲得、受注につなげました。国土交通省の入札基準は数ヵ月単位で変化します。いかに情報を収集し対応していくかが、一番苦労するところです。

Project Story04
Project Story04
技術力、組織力、誠実さ。新井組の強みを活かす。

新井組の「強み」はどこにありますか。

馬場技術力、組織力、社員の誠実さ。これらの強みを発揮した結果、同クラスの中堅ゼネコンには負けない工事量と社会貢献を実現しました。昨年創立75周年を迎え、今年からビジョン2030を掲げ10年後に向かって「新井組ブランド」を確立しながら、今後も他社と競合できる付加価値を獲得していきたいですね。

西村新井組の強みは「真面目」の一言に尽きます。各工事において、さまざまな難局がありますが、社員の誠実さ、真面目さ、熱意により高品質の構造物を納品し高評価を得てきました。それが、他のプロジェクトの受注にもつながっています。

山下それぞれの社員が品質を最優先に考え実践していることが強みです。一人ひとりの意識が高く顧客に評価され、それが次の仕事につながっていく。いいスパイラルをこれからも続けていきたいですね。

山垣新井組の社員は「より品質の良いものをつくりたい」ということに貪欲で、何事にも挑戦しようという力がある。それが、高品質の施工、高評価・高得点を実現できるのだと思います。

金谷作業所長をはじめ、個人のレベルが高く、いい品質とは何かをつねに追求しています。仕様書に書かれているその上をいく品質を目指す。それが新井組。高い技術力、鋭い感覚を次の世代に伝えていきたいです。

森谷圏央道というプロジェクトを通じて、改めて新井組の技術力の高さを実感しました。現場を進める中で対面する多くの問題に、営業、技術、工事が一丸となり粘り強い対応を行うことで、お客様の満足と地域の方々の理解を得られ、数多くの表彰も受賞しました。逆境に立ち向かったからこそ、今があります。今後も「One Team」の精神で多くの工事に取り組み、社会に貢献していきたいと思います。